人工知能は人間を超えるか -ディープランニングの先にあるもの-

 人工知能は一朝一夕ではない

 コンピュータ全般に改めて注目している今日この頃です。「知識ゼロからのプログラミング学習術」(著:北村拓也/出版:秀和システム)という本を手に取ったところ、他の書籍がたくさん紹介されていましたので、その中からまず今回の「人工知能は人間を超えるか -ディープランニングの先にあるもの-」の書籍を読んでいきましたので自分自身のメモも含めてご紹介します。なお、著者は松尾豊氏で東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻の教授で日本ディープラーニング協会理事長を務められています。

 2015年3月10 日発行ということで、まだ古くない本だと思いますし、実際に話題は2021年現在も注目されているディープラーニングにも触れられています。まず、誰しもなんらかの形で耳にしてきた人工知能という言葉は以下の表のように1960年代から議論され続けてきた歴史のある分野であり、ディープランニングはその一つのブレイクスルーとして出てきた技術です。長い歴史の中で長い苦渋の時期も挟んで技術の進歩に支えられながら発展してきたことがわかります。

TimeName Note
1960s – 1970s第一次AIブーム推論・探索
1980s – 1990s第二次AIブーム知識
2010s –第三次AIブーム機械学習・ディープランニング(特徴表現学習)

 過去には コンピュータが得意とする全ての可能性の演算や知識の集積を目指し、アメリカでは人間の持つすべての知識をコンピュータに入力するCyc(サイク)プロジェクトが1984年から30年以上経つ現在も続いているそうです。今でこそチェスや将棋については人間を凌駕するレベルまでに至ることができましたが、それでも人間への応対や画像判断には、膨大な人間によるインプットが必要とされてきました。そんな中で「ILVRC(Imagenet Large Scale Visual Recognition)」という2012年の画像認識コンテストで圧倒的勝利を飾ったトロント大学のジェフリー・ヒントン教授率いるSuper Visionチームがディープラーニングの先駆けです。特に、コンテストにおいてエラー率を下げるために人の手によってアウトプットが必要とされていましたが、ディープラーニングによって初回に与えられた情報だけで人工知能が判別できる精度が向上しました。情報を得る入力層から回答を吐き出す出力層までの間に何層もの隠れ層を設定し、その各層が学習し、さらに自己符号化器(オートエンコーダー)という入力情報と出力情報を同じにする(答え合わせのようなことをする)頑健なシステムによってディープラーニングの精度が支えられます。

 詳細は本を読んでいただくとして、今後、コンピュータの創造性の確立にあたってはデープラーニングを土台にしてさらに理論の構築と技術の確立が求められるのだと考えています。人工知能が人間を超える可能性は不明ですが、わたし自身は将来人間を超えることを期待しています。
 ディープラーニングは20万円のPC から構築できるようでしたので、人工知能への接触はまだ先の未来としてディープラーニングを体感することは今からでもできることかもしれません。

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